ハプニングは旅の醍醐味

我々が乗ってきた列車は「回送」となってじっとしています。

相変わらずの激しい雨。冷たい風が雨を伴ってホームに吹き込み、夏とは思えない肌寒さ。こんなこともあろうかと、防寒用にザックに入れておいたの高機能アンダーウェア(モンベル社のジオライン)を取り出して身につけました。ホームには真夏の涼しい恰好の人も多く見受けられ、実に寒そうです。

「ねえ、この電車の中で待つわけにはいかないの?寒くてしょうがないわよ。ねえ、なんとかならいの!」

おっ、さすがおばはんパワー(失礼)。たまりかねたおばちゃんが駅員にぐぐっと詰め寄ります。

するとその迫力に圧倒されたのか、間もなく回送列車のドアがあきました。

列車内で

明るい列車内に入ってほっと一息。

近くの、ボックス席には小型の時刻表を手にしたご婦人が2人。同じ境遇を共にするとなぜか親近感が湧き、どちらともなく声を掛け合うのでした。

「付箋がいっぱいついたハンディタイプの時刻表を片手に旅慣れたスタイル。もしかしたら青春18きっぷで旅をしている人ですか?」
「あら、青春はとっくに過ぎちゃったけど、そうよ。よくわかるわねえ」
「いや〜、私も青春はとっくに過ぎてますが先日青春18きっぷで旅に出たばかりなもので」

こんな会話ひとつで、待ち時間も楽しく過ごせるというもの。
聞けば、このお二人は今朝東京を出発し、草津まで行く予定だったそうです。

「こんな状況になっちゃったから、予定を変更して両毛線で栃木方面に行こうかと思っているんですけど。どこかお勧めの所とか知りません?」

「えっ、両毛線、栃木方面!知っているってもんじゃあありませんよ。こちら方は、某企画でこの沿線を取材したばかりですよ。いや〜偶然というか、ツイているというか、ラッキーというか」

お二人は、小暮さんから懇切丁寧ことこまかに沿線の見所や観光スポットの生情報を聞くことができたようで、感激していました。

まさにハプニングは旅の醍醐味と言ったところでしょうか。

それにしても、こんな状況に遭遇したにもかかわらず「おっ、これはネタになる!」と、嬉々として一人ホームで写真を撮りまくっていた私。まわりの冷たい視線もなんのその。


ぶらり水紀行vol.3 不動の滝」の記事は、WEB版ちいきしんぶんでもご覧になれます。


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